鍼灸師・陰陽養生家の石井利紗と申します。
2016(平成28)年に国家資格はり・きゅう師を取得しました。現在は自宅で東洋医術の施術サロン、食養を基本にしたランチ会などを不定期で開いております。
鍼灸師になる以前は、アパレル業界やIT業界で働いた経験があり、体調を崩した事をきっかけに、整体師となり、10年ほど前から健康に関わる仕事に従事。ある日、日本にとっての伝統医療であり、暮らしの身近にあった鍼灸に興味を持ち治療を受けたところ、体が変わることを実感して、資格取得を決意し現在に至ります。
取得後3年間は治療院勤務で経験を積もうと思いました。不妊治療の専門院と、難病治療の専門院で、両者とも腕が良い中医師(中国伝統医学を実践する医師)でしたので、1日50人は当たり前の患者様が絶えず来ました。お陰様でたくさんの患者さまを診させて頂けましたが、治っても治らなくても次々と波のように患者様が不調を抱えてやってくる状況に、このまま同じやり方を続けることに疑問を感じ、治療院を辞めて自分自身を治療家として見直すことにしました。
そもそも、日本は先進国で経済的にも問題がない状況の患者様が多いにもかかわらず、どうしてこんなにも沢山の病気を抱えている人が多いのか?「生き方」の問題ではないか?
また、この飽食の時代に、「食」で体調を崩している方が多いとも感じ、これまでの経験をさらに昇華させるために「分子栄養学」を学びアドバイザーも習得しました。
また、ずっと憧れていた着物生活を始めました。まだ毎日とまでは行きませんが、用事で出かけたり、涼しい時期などは着物の方が保温性があり気持ち良く、よく着ています。気分も良いし、体が喜んでいるように感じます。着物を着るという習慣が、私たちの祖先から受け継いだDNAの中に残っていて、心地いいのではないかと感じるようになりました。諸外国も同様ですが、日本人の生活様式が変わったのは、長い歴史から見たらつい最近のごく僅かの期間ですから、環境だけが変わって、頭で良い悪いを判断して、体の声が無視されているのではないかと感じます。着物を頻繁に着るようになったおかげで、身に付けるものは、気持ちがいい天然素材がほとんどになりました。
昨今は「心」と「身体」と別々の部位として定義し、「心と体は繋がっている」とは言いつつも、治療はそれぞれがに専門的に行われているのが現状です。健康か否かの「診断」も、健康モデルや、曖昧な統計や平均値が基準で、そこに近づけばいいという方法で、個性や個人差が無視されています。
東洋医学は本来、「心」と「身体」という物事を分けて考える事がなく、個人とそれを取り巻くあらゆるもの(万物)が影響しあっていると考える自然哲学から発生した医学です。そこを踏まえ、根本的な病氣や不調の原因を、不調や未病の段階で自分自身が氣付き、治せるようになって欲しいという思いから、「養生」を伝えていくことにしました。少しでも皆様のお役に立てればと思います。